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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
6月号
認定NPO法人について

6月が近づくにつれて天気が不安定になる日が多くなりましたね。

5月も終わり、俗に「5月病」と言われる病になりやすい時期も過ぎ、新入生や新入社員の皆様も新しい環境に慣れ始めた頃ではないでしょうか。

新入社員といえば、新入社員の3分の1が3年以内に退職しているとの情報をこの間たまたま目にしました。

早期退職と聞くと、「5月病」のような消極的な理由での退職を思い浮かべがちでしょうが、早期退職者の中には、自分の夢ややりたいことに向け再出発するためという積極的な理由で退職した人もいるようです。

先日、私の知人(早期退職者ではありませんが)から「新たにNPO法人を設立したい」と相談を受けました。

その知人は、有志を募り福祉に関する方面で社会貢献をしたいと夢を語っており、その姿を見ただけで私まで心が熱くなってしまいました。

そこで、前回のコラムでNPO法人(特定非営利活動法人)についてご紹介しましたが、今回のコラムでは、ご紹介しきれなかった「認定NPO法人」についてご紹介したいと思います。

非営利目的であることや活動分野の制限など「認定NPO法人」は一般の「NPO法人」と活動自体に関してはさほど大きな違いはありませんが、「認定NPO法人」には以下のような特徴があります。

【認定NPO法人の主な特徴】

1:都道府県の知事又は指定都市の長の認定を受ける

認定NPO法人は、NPO法人のうちその運営組織及び事業活動が適正であって公益の増進に資するものに対する所轄庁の認定を受けなければなりません。

2:寄付者が税制面で優遇される

個人または法人が認定NPO法人へ寄付を行った場合、一般のNPO法人へ寄付を行うより税制面で以下のように優遇されます。

■ 個人(税の控除)

【 一般のNPO法人 】 税制面での優遇は特になし

【 認定NPO法人 】  所得税の所得控除や税額控除など

■ 法人(損金算入限度額)

【 一般のNPO法人 】 一般の寄付金に係る損金算入限度額

【 認定NPO法人 】   一般の寄付金に係る損金算入限度額

+ 認定NPO法人等に対する寄付金に係る損金算入限度額

また、平成23年6月22日に公布された「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律」(以下「改正NPO法」)により、新たな認定制度の整備が行われ、平成24年4月1日から施行されました。

主な変更点は、以下のとおりです。

【改正NPO法における主な変更点】

1:新たな認定制度の創設

【 旧制度 】 国税庁長官による認定

【 新制度 】 3都道府県の知事又は指定都市の長による認定

国税庁長官が認定する認定制度が廃止され、都道府県の知事又は指定都市の長が認定する新たな認定制度が開始されました。

そのため、新制度に基づき認定の申請を行う場合は、該当する所轄庁へ申請することとなります。

2:認定基準の緩和

【 旧制度 】 事業収入のうち寄付が5分の1以上に限定

【 新制度 】 各事業年度に3,000円以上の寄附を平均100人以上から受けることが追加

国税庁長官が認定する認定制度が廃止され、都道府県の知事又は指定都市の長が認定する新たな認定制度が開始されました。

そのため、新制度に基づき認定の申請を行う場合は、該当する所轄庁へ申請することとなります。

3:所得税の税額控除制度の導入

【 旧制度 】 所得税において所得控除に限定

【 新制度 】 所得税において税額控除を追加

※寄附金の額が2,000円を超える場合には、その超える金額の40%相当額(所得税額の25%相当額を限度)を所得税額から控除

個人の方が認定NPO法人へ寄附を行う場合、所得税に関する控除において新たに税額控除を導入し所得控除との選択制となりました。

所得控除と税額控除はいずれか一方の選択が可能ですので、寄付者にとって有利な計算方法が選択できます。

この度の認定制度の改正で、認定NPO法人が設立しやすくなりました。

今まで認定を受けることを諦めていた方は、これを機に認定が受けられるよう頑張ってみてはいかがでしょうか。

私どもの事務所では、NPO法人の設立に関しても全力でお手伝いさせていただきます。

今後、認定NPO法人が増えることで多くのNPO法人が活性化する可能性があります。

多くのNPO法人の中に、自分たちの理念に合った団体を見つけ興味を持つ人が1人でも増えれば、より素敵な世界になるのではないかと思います。

今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

2012/06/01
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