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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
4月号
領収証等に係る印紙税の非課税範囲の拡大について

いよいよ4月から消費税率が改定になりました。

今回の改定でも、改定前に商品の需要が一気に増加する「駆け込み需要」という現象がいろいろな商品でみられたようです。

特に、代表的な住宅や自動車などはもちろん、身近なところでは冷蔵庫や洗濯機などの白物家電の需要が高まったようです。

ところで、皆様も白物家電などの高価な商品を購入した際に、収入印紙という切手のような小さな証票を目にした事があると思いますが、この「収入印紙」の役割はご存じでしょうか。

収入印紙を購入した代金を「印紙税」と呼ばれる税金として納税した証拠に収入印紙を貼るのですが、印紙税を徴収する理由として政府は以下のような見解を挙げています。

「印紙税は、経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める文書課税である。」

(平成十七年三月十五日 国会答弁書)

つまり、白物家電を購入した際の領収証は文書課税の対象とみなされ、取引事実が明確化し法律関係が安定化するという理由で経度の負担を求める「文書課税」であると言っています。

したがって、昨今増大しているインターネットを利用したショッピングのように文書(書面)を伴わない取引については該当しないという事になります。

時代の流れと共に取引の種類や形態は変化を続けますが、この印紙税についてもいろいろと変化しなければならない時期に来ているのかもしれません。

そこで、今回のコラムでは領収証等に係る印紙税の非課税範囲の拡大についてお知らせしたいと思います。

■ 「金銭又は有価証券の受取書」に係る非課税範囲の拡大

今まで「金銭又は有価証券の受取書」については、記載された受取金額が3万円未満のものが非課税とされていました。

しかし、平成26年4月1日以降に作成されるものについては、受取金額が5万円未満のものについて非課税とされることとなりました。

■ 「金銭又は有価証券の受取書」とは

「金銭又は有価証券の受取書」とは、金銭又は有価証券を受領した者が、その受領事実を証明するために作成し、相手方に交付する証拠証明書をいいます。

したがって「領収証」、「領収書」、「受取書」、「レシート」はもちろんのこと、受領事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」、「了」などと記入したもの、さらには「お買上票」などが金銭又は有価証券の受取書に該当します。

■ 「金銭又は有価証券の受取書」の注意点

(1)印紙税の納付の必要がない文書に誤って収入印紙を貼ったような場合には、所轄税務署長に過誤納となった文書の原本を提示し、過誤納の事実の確認を受けることにより印紙税の還付を受けることができます。

(2)消費税および地方消費税の金額(以下「消費税額など」)が区分記載されている場合又は税込価格および税抜価格が記載されていることにより、その取引にあたって課されるべき消費税額などが明らかとなる場合には、その消費税額などの金額は「領収証」などに記載された受取金額に含めないこととされています。

以上が、領収証等に係る印紙税の非課税範囲の拡大についてです。

最後に、東日本大震災が起きてから3年が経過いたしましたが、未だに仮設住宅に住み生まれ育った土地に帰れない方がたくさんいらっしゃいます。

今回の消費税率の改定では、私たちも様々なシーンにおいて税金の負担も高まりますが、その税金が復興支援に繋がるのであれば日々の生活の中で貢献することができ嬉しく思います。

国や地方自治体の皆様には、消費税率改定によって増加した税金は、必ずや復興支援の役に立てていただきたいと心から祈ります。

今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

2014/04/01
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