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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
12月号
暦年贈与という備え

11月として観測史上初となる都心の積雪など、急激に冬本番を迎えた今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

私は、仕事柄外出する機会が多いのですが、1日の仕事で冷えきった身体を癒す入浴は、冬ならではの楽しみの一つでもあります。

しかし、そんな入浴も高齢になるほど注意が必要で、浴室と脱衣所の温度差が原因で命を落としてしまう方が、夏場の10倍以上にもなるそうです。

冬は一年の中でも特に体調を崩しやすい季節と言われていますので、体調管理にはくれぐれも気をつけていい年末年始をお迎えください。

ところで、先日知人から高齢の母親が倒れ救急車で運ばれたという話を聞きました。

その母親は、以前に転倒して痛みに苦しんでいる際に、なかなか家族の助けを呼べず大変苦しい思いをした経験があり、その際に知人がいざという時にボタン一つですぐに電話できるように、携帯電話の短縮ダイヤルに連絡先を登録して母親に使い方を教えていたそうです。

そんな矢先、家に1人でいる時に急な頭痛に見舞われ全身が痺れて倒れてしまったのです。

しかし、短縮ダイヤルのことを思い出し、何とか電話まで辿り着き最後の力を振り絞り、短縮ダイヤルで助けを呼べた事により九死に一生を得たそうです。

救急車で運ばれた病院の医師からは、ほんの少しでも対応が遅れていたら取り返しがつかなくなるところだったと言われたとのことでした。

ちなみに、今では全快に向けて元気にリハビリに励んでいるそうです。

私はこの話を聞いて、あらためていざと言う時への「備え」の大切さと、それを実行するための「きっかけ」の重要さを痛感いたしました。

ところで、税務の世界にも将来に向けた「備え」として暦年贈与という制度があります。

そこで、今回のコラムでは暦年贈与についてお伝えいたします。

■ 暦年贈与とは

暦年贈与とは、暦年(1月1日~12月31日)ごとに贈与を行い、その贈与額の合計が110万円以下であれば非課税になる制度のことです。

なお、この110万円という非課税枠は、贈与を受ける者(受贈者)を基準として計算します。

つまり、例えば子供が父から60万、母から50万を同一年度に贈与された場合は、それらを合計して110万円という計算になります。

■ 暦年贈与を行う際のポイント

暦年贈与を行う際は、万が一税務署から贈与と認められないという指摘された場合に備え、贈与の事実があったことを確実に証明することも大切になります。

実際に贈与が行われたという証拠を残すための主なポイントは以下のとおりです。

1:贈与契約書の作成

贈与者と受贈者が署名押印した契約書を作成することで贈与の証明ができます。

2:銀行口座への振り込み

現金を手渡しするよりも銀行口座への振り込むことで日付などが明確になります。

■ 暦年贈与の注意点

暦年贈与の主な注意点は以下の3つです。

1:子供名義の通帳に振り込みに注意

親が管理している子供名義の通帳への振り込みは、贈与があったとは認められないことがあります。

2:毎年、同時期・同金額の贈与に注意

毎年同じ時期に同金額の暦年贈与を続けて行うことで、税務署に連年贈与とみなされてしまうことがあります。

連年贈与とみなされないためにも贈与契約書の作成は大切になります。

・連年贈与とは

例えば100万円の暦年贈与を10年間(計1,000万円)行った場合に、最初から1,000万円を贈与する意図があり1年ずつ分割で給付したとみなされ全額の1,000万円が課税対象になってしまうことを連年贈与と言います。

3:相続開始前3年以内の贈与は適用外

相続発生以前3年内の相続人に対する贈与は、相続税の計算に持ち戻されますので注意してください。

暦年贈与という制度を利用することで、例えば子供2人に毎年110万円ずつ10年間贈与すると、合計で2,200万円が非課税で贈与できることになります。

以上が、暦年贈与についてです。

毎月書き続けているこのコラムももうすぐ8年目を迎えますが、コラムを読んでくださっている皆様の税務についてなど何かを考える「きっかけ」になると嬉しい限りです。

今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

2016/12/01
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