法人からSOHO・個人事業主まで・・・法人税から相続税まで。会社設立・登記・会計・申告・年末調整など税務に関することなら、横浜市の税理士法人 TOS佐々木会計

税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
5月号
平成27年度税制改正について

「マタハラ」という言葉を皆様はご存知でしょうか。

マタハラとはマタニティ・ハラスメントの略で、現在日本が抱えている少子化問題の原因の一つとも言われています。

働く女性が妊娠・出産を理由として解雇されることや、妊娠・出産にあたって職場で受ける精神的、肉体的なハラスメントがマタハラになるのです。

日本政府もマタハラ問題や少子化問題に歯止めをかけるべくさまざまな政策を講じています。

そんな中、先日、マタハラの被害者支援に取り組む一人の女性が、米国務省から「国際勇気ある女性賞」という賞を日本人で初めて受賞されました。

ちなみに、「国際勇気ある女性賞」とは、米国務省が2007年に創設したもので、人権、平等、社会の進歩を支援するにあたり、勇気と指導力を発揮した女性を表彰する賞だそうです。

賞を受賞した女性は「一番はやっぱり、法律の認知の低さ。制度さえ知らない、法律さえ知らない、そして法律を知っているであろう人事の法令順守の意識の低さ、そこが一番の起点だと思います」と語っていました。

私も、法律や制度をいくら創設したところで、認知度が低くかったり、順守しなかったりしなければ意味がないと考えます。

今回の受賞がニュースになって多くの人の目に留まり、日本国内の妊娠・出産者に関する制度の認知度向上と法令順守の意識を高めたことで、今まで一生懸命に活動してきたことが少し報われたのではないでしょうか。

ところで、話は変わりますが、制度といえば今年も税制改正が行われました。

そこで、今回のコラムでは、皆様にも税務制度について認知していただくために平成27年度税制改正についてお伝えいたします。

■ 平成27年度税制改正の主なポイント

既にニュースなどでご存知の方もいらっしゃると思いますが、平成27年度税制改正の主なポ イントは以下のとおりです。

・法人税率の引下げ

法人税率が現行の25.5%から23.9%に引き下げられました。

・教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の延長

適用期限が現行の平成27年12月31日から平成31年3月31日まで延長されました。

・住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充・延長

非課税限度枠が段階的に最大3,000万円まで拡充されました。

また、適用期限が現行の平成26年12月31日から平成31年6月30日まで延長されました。

・NISAの拡充

未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置」(ジュニアNISA)が創設されました。

また、非課税管理勘定に受け入れることができる上場株式等の取得対価の額の限度額が、現行の100万円から120万円までに引き上げられました。

※2016年より引き上げ

また、平成27年度税制改正の中でも特にご紹介したい制度が、新たに創設され「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」です。

結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置については以下のとおりです。

■ 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置について

【 概要 】

将来の経済的不安が若年層に結婚・出産を躊躇させる大きな要因の一つとなっていることを踏まえ、両親や祖父母の資産を早期に移転することを通じて、子や孫の結婚・出産・子育てを支援するため、本制度は創設されました。

【 制度内容 】

結婚・子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属が銀行等に信託等をした場合には、受贈者1人につき1,000万円(結婚に際して支出する費用については300万円を限度)までは非課税となりました。

・受贈者の要件:20歳以上50歳未満

・適用時期:平成27年4月1日から平成31年3月31日

【 結婚・子育て資金とは 】

1、結婚に際して支出する婚礼(結婚披露を含む)の要する費用、住居に要する費用及び引越に要する費用のうち一定のもの

2、妊娠に要する費用、出産に要する費用、子の医療費及び子の保育料のうち一定のもの

私は、もしこのまま少子化が進むようであれば、経済活動や社会保障制度の崩壊などといった日本の将来にちょっとした不安を感じています。

今回の制度が、その少子化に歯止めを掛ける一筋の光になり、日本に笑顔の子供たちが増えてくれたら嬉しいものですね。

以上が、平成27年度税制改正についてです。

先日、駅の階段で母親が一人でベビーカーを運ぼうとして困っていたところ、見ず知らずの人が声をかけて運ぶのを手伝っていたのを目にしました。

私は、その光景を見て、確かに制度も大事だが、周りの人の妊娠・出産者に対する心遣いも大切なのだと認識させられました。

極端な例ですが、ベビーカーを運ぶのを手伝うことを制度で明文化する必要はありますか。

もちろん、そのような制度は必要なく、日本古来より伝わる「思いやり」という意識を皆がもっていれば、決め事にしなくても解決できることが多いのではないでしょうか。

日本人一人ひとりが素敵な心遣いができるようになれば、自ずと明るい未来になるはずです。

今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

2015/05/01
to_top
















お気軽にご連絡ください!
税理士法人 TOS佐々木会計
※電話にて回答できるご相談に限ります
受付時間:9:00~17:00
〒232-0051
横浜市南区井土ヶ谷上町21番16号