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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
9月号
任意後見制度について

「ぼくドラえもん!」

このセリフを見た時に、頭の中で大山のぶ代さんの声が再生された方は多いのではないでしょうか。

先日、大山さんが認知症である事を公表された際は、世間に大変な驚きを与えたと共に、認知症という病が誰にでも起こりえる身近な病であることを改めて痛感させられました。

認知症は年々増加している病気で、10年後の2025年には約5人に1人が認知症になる可能性があるそうです。

また、認知症は根治できる薬物療法が確立されておらず、今後ますます重要になるのが、デイサービスなどの非薬物治療や介護保険など社会的支援制度の充実と言われています。

そこで、今回のコラムではいざというときに支えとなる備えの1つとして、任意後見制度についてご紹介させていただきます。

■ 任意後見制度と法定後見制度について

まず、任意後見制度は成年後見制度のうちの1つの制度で、成年後見制度を大きく分けると任意後見制度と法定後見制度があります。

・任意後見制度

将来、自己の判断能力が不十分な常況になった場合に備えて、あらかじめ信頼できる者(任意後見受任者)に対して希望する法律行為によるサポートを委任する制度

※判断能力が衰えた後に後見が開始

・法定後見制度

精神上の障害により判断能力が不十分な常況にある対象者を、家庭裁判所が選任した者が法律行為によってサポートする制度

任意後見制度と法定後見制度の大きな違いは、任意後見制度は判断能力が衰える前に委任し、委任の範囲も自由に決めることができる制度に対して、法定後見制度は判断能力が衰えた後に親族などからの申し出により後見人が選任されるという点です。

■ 任意後見制度の主なメリット

・自分の財産を守ることができる

・家族、親族同士のトラブルから身を守ることができる

・日常生活での不自由な面を減らすことができる

・本人の判断能力が低下する前に委任する制度である

・自分の信頼できる人に後見人を依頼することができる

・どこまでを後見人に依頼するかを柔軟に決めることができる

■ 任意後見契約でお手伝いできることの主な事例

【 財産管理に関する法律行為 】

・不動産などの財産の管理、処分、契約締結

・銀行、郵便局など金融機関からの現金引き出し、振込手続き

・日常生活に必要な賃貸料や光熱費の支払

・不動産を運用している場合にはその賃借料の受取

・保険契約の締結や保険料支払、保険金請求、保険金受取

・遺産相続、各種行政上の手続きなど

【 財産管理に関する法律行為 】

・受診・治療・入院に対する契約締結や費用の支払いなど

・デイサービス、老人ホームへの入退所の介護契約の締結、利用手続き、費用の支払いなど

・施設や介護サービスにおける処遇の監視と異議申し立てなど

もし認知症になってしまった場合には、大切な財産を浪費したり適切な医療サービスを受ける機会を失ったりする可能性があります。

任意後見制度は、任意後見人にどのようなことを委任するか契約を結ぶ際に自由に設定することができますので、信頼できる人と事前にじっくりと相談していざという時に備えてください。

以上が、任意後見制度についてです。

今回ご紹介した情報が、いざという時の備えとして少しでもお役に立てたら嬉しい限りです。

最後に、ドラえもんという作品を通じてたくさんの方に夢や希望を与えてくださった大山のぶ代さんのご回復を心から祈ると共に、多くの認知症に苦しむ方に夢や希望を与える新薬の開発が実現することを痛切に願います。

今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

2015/09/01
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