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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
8月号
インボイス制度とは③ ~簡易課税とは? ~

インボイス制度とは③ ~簡易課税とは? ~(経営コラム)のイメージ

こんにちは、横浜の税理士・公認会計士の佐々木彰です。

今回は「インボイス制度とは③ ~簡易課税とは? ~」がテーマです。

インボイス制度は令和5年10月からスタートします。

そして各事業者、特に今消費税を納めていない免税事業者にとってはインボイス登録するかしないかという大きな判断が必要になります。

その判断するための材料として今回は消費税制度の復習をしたいと思います。


1.簡易課税とは

そもそも消費税を納めるということは「預かった消費税」から「支払った消費税」を引いた金額を納税するということです。

そのため消費税を計算するためには、支払った消費税を正確に帳簿に記録しなければなりません。

(消費税の申告のためには10%や8%だけでなく消費税がない非課税取引など、複雑な記帳が必要になります)

そのような事務負担を軽減するため中小企業には事業者の選択により、売上げに係る消費税額を基礎として仕入れに係る消費税額を算出することができる制度、つまり簡易課税制度が認められています。

具体的には、その納税地の所轄税務署長に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した課税事業者は、その基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)における課税売上高が5,000万円以下の課税期間について、売上げに係る消費税額に、事業の種類の区分(事業区分)に応じて定められたみなし仕入率を乗じて算出した金額を仕入れに係る消費税額として、売上げに係る消費税額から控除することになります。

なお、みなし仕入率は事業内容(事業区分)によって異なります。

事業区分 みなし仕入率
第1種事業(卸売業)
90%
第2種事業(小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業に限る))
80%
第3種事業(農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業および水道業)
70%
第4種事業(第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業および第6種事業以外の事業)
60%
第5種事業(運輸通信業、金融業および保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く))
50%
第6種事業(不動産業)
40%


2.簡易課税と原則課税の違い

① 消費税の原則的な計算方法は↓のようになります

この差額4万円(10万円-6万円)をあなた(課税事業者)は国などへ納税することとなります。

② もし簡易課税(第3種事業)で計算すると↓のようになります

この場合、3万円(10万円―10万円×70%)をあなたは国などへ納税することとなります。

このように簡易課税を選択すると売上げに係る消費税額を基礎に納税する消費税を計算します。

なおこのケースでは簡易課税の方が納税額が少なくなっていますが、会社によって異なりますので注意してください。


3.免税事業者のこれから

インボイス制度が始まることで免税事業者は

① インボイスを発行する業者として課税事業者になるか(消費税を納めるか)

② インボイスを発行する業者にならず免税事業者のままでいるか

という判断をしなければならなくなりました。

さらに①を選択する事業者は

ⅰ原則課税

ⅱ簡易課税

のどちらかを選択しなければなりません。

会社によって有利不利がありますのでインボイス制度が始まる前に税理士に相談することをお勧めします。

(出来れば有利不利のシミュレーションを依頼するといいと思います)


4.おわりに

インボイス制度を理解するために重要な簡易課税制度を紹介しました。

来月はインボイス登録するための手続きを紹介する予定です。

2022/08/01
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