• HOME
    • 相続コラム
    • 亡くなる前に引き出した預金はどうなる?相続税申告で確認したい「現金」の話
┃相続コラム
近年の高齢社会を見据え相続法の大きな見直しが行われました。
相続コラムでは、相続に関連する最新のあらゆるトピックをお届けいたします。
税理士の視点から分かりやすく解説し皆様のお役に立つコラムにしてまいります。
2026年10月号
亡くなる前に引き出した預金はどうなる?相続税申告で確認したい「現金」の話(2026年10月号)

亡くなる前に引き出した預金は相続財産?|相続税申告の注意点を税理士が解説(2026年10月号)

こんにちは、横浜市南区井土ヶ谷で相続と老後の財産管理のご相談を承っている、3代目税理士・公認会計士の佐々木彰です。

今回のコラムでは、「亡くなる前に銀行から引き出したお金」についてお話しします。

相続税申告では、亡くなった日の銀行残高を確認します。

では、亡くなる少し前に100万円、200万円と預金を引き出していた場合、そのお金は相続財産に入らないのでしょうか。

答えは、

「何に使ったのかによって変わります」

です。

預金口座からお金がなくなっただけでは、相続財産がなくなったとは限りません。

相続税申告では、引き出した後のお金がどうなったのかを確認することが大切です。

まだエンディングノートをお持ちでない人はTOS佐々木会計のエンディングノートをご利用ください(2種類のエンディングノートになっております)

① 第1章「元気なうちから家族に宣言しておく(家族に読んで欲しい)」エンディングノート(ダウンロード:PDF)

② 第2章「お別れした後に家族に読んで欲しい」エンディングノート(ダウンロード:PDF)



1.死亡日の預金残高だけを見ればよい?

たとえば、亡くなる1か月前の預金残高が1,000万円だったとします。

その後300万円を引き出し、亡くなった日の預金残高が700万円になっていました。

この場合、

「相続財産は預金700万円」

と考えてよいとは限りません。

大切なのは、引き出した300万円を何に使ったのかです。

相続税では、亡くなった時点で所有していた財産を確認します。

預金から引き出しただけで、自宅などに現金300万円が残っていれば、その現金も相続財産になります。


2.引き出したお金が残っていた場合

たとえば、亡くなった方が銀行から300万円を引き出し、そのまま自宅の金庫に保管していたとします。

亡くなった日の銀行残高は700万円ですが、

預金 700万円

現金 300万円

が残っているため、合計1,000万円が相続財産となります。

つまり、

「銀行から引き出せば相続財産ではなくなる」

ということではありません。

相続税申告では、預金だけでなく、手元に残っている現金についても確認する必要があります。


3.医療費や生活費に使った場合

一方、引き出したお金を亡くなる前に実際に使っている場合もあります。

たとえば、

・ 入院費や治療費

・ 介護施設の利用料

・ 日常の生活費

・ 家賃や公共料金

などです。

こうした費用として亡くなる前に実際に支払われ、お金が残っていなければ、その支払った金額がそのまま現金として相続財産に残るわけではありません。

そのため、

「いつ、いくら引き出したか」だけでなく、「何に使ったのか」

を確認することが重要です。

領収書や請求書、通帳などが残っていれば、支出内容を確認しやすくなります。


4.家族に渡していた場合

もう一つ注意したいのが、引き出したお金を子どもや孫などに渡していた場合です。

本人が、

「この100万円はあなたにあげる」

と家族に渡していた場合には、生前贈与に該当する可能性があります。

一方で、

「代わりに管理しておいて」

と預けていただけなら、亡くなった方のお金のままと考えられることがあります。

つまり、家族が持っていたからといって、必ずその家族の財産になるわけではありません。

誰のお金だったのか、どのような目的で渡したのかを確認する必要があります。


5.相続が発生したら何を確認する?

相続税申告では、死亡日の残高証明書を取得するだけで終わりではありません。

亡くなる前にまとまった出金がある場合には、

「このお金は何に使ったのだろう?」

と確認してみましょう。

特に、

・ ATMでまとまった現金を引き出している

・ 家族への振込みがある

・ 死亡直前に大きな出金が続いている

という場合には、その使い道を整理しておくことが大切です。

通帳、領収書、医療費や介護施設の請求書などは、相続税申告が終わるまで保管しておくことをおすすめします。


6.まとめ

相続税申告では、

「亡くなった日の銀行残高だけ確認すればよい」

とは限りません。

亡くなる前に引き出したお金については、

現金として残っているのか、本人のために使ったのか、家族に渡したのか

によって取扱いが変わります。

特に高齢になると、ご本人に代わってご家族が預金を引き出し、医療費や生活費を支払っていることも少なくありません。

そのこと自体が問題なのではありません。

大切なのは、

「何のために引き出し、何に使ったのかが分かるようにしておくこと」

です。

相続が発生したときには、預金残高だけでなく、亡くなる前のお金の動きも一度確認してみましょう。

TOS佐々木会計では、横浜市南区井土ヶ谷の税理士法人として、預貯金や現金の確認、不動産評価など、相続財産の整理から相続税申告までサポートしています。

「死亡前に多額の預金を引き出しているが、どう申告すればよいか分からない」

「親の代わりに自分がお金を管理していた」

など、相続税についてご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

[ 相続税申告のご相談はこちら ]

2026/10/1

前のコラム
相続放棄したら生命保険も受け取れない?|相続税で注意したいポイント
copyright c 税理士法人 TOS佐々木会計 All Rights Reserved.